思考の試行

「無限増幅のうそ地獄」

 父方の祖母を訪ねに新城まで行った。5人揃って向かうのはいつぶりだろうか。わたし自身が祖母に会うのは約2年ぶりであり、この2年の間元気に生きていてくれたことに感謝している。

 道中蒲郡のガン封じ寺に参った。12年に1度の堂開放をしているとのことでかなり楽しませていただいた。堂の中には数々の如来、菩薩が祀られており、終始神秘的でものものしい雰囲気を纏っていた。宗教とは不思議なもので、普段格別に何かを信じ仰いでいるわけではなくても、いざそれを目の当たりにするとその歴史と威厳に飲み込まれてしまう。今回もご多分に漏れずそのパワーに圧倒されてきた。深い信仰を持ち、その力に魅了され続ける人がいるのもなるほど頷けると感じた瞬間であった。

 その後竹島の水族館に立ち寄ったが眠たさが勝ったので割愛。最近話題というだけあって開園から間もないのに人で溢れかえっていた。我が天敵オタリアの姿もみられたが、わたしのイメージしていたものよりもだいぶ小ぶりの可愛らしいものであった。

 その後祖母宅へ向かい、祖父の遺影に挨拶したのちに近くの川魚料理店へと向かった。2年ぶりの祖母は相変わらず小さく、しかし大きな優しさの雰囲気を纏っていて安心した。耳もよく聞こえるし滑舌もよろしい。走ることもできるのにはさすがに吃驚した。まだまだ元気そうで何よりである。

 川魚料理店は昔きたそのままであり、懐かしいねなぞと言いながら皆で楽しむことができた。和やかな空気がとても心地よかった。

 その後は鳳来寺山へ向かい山道を歩いた。勾配の急な坂や高くそびえる階段など懸念されることは多かったが、祖母は全てを元気に歩ききっていたのでまたしても吃驚した。しかし速さは流石に劣るので、ゆったりゆったりと山を歩いた。あのスピードには先にわたしの足が参ってしまった。それでもやはり元気な祖母を見て安心するし、「久しぶりに鳳来寺山を参ることができた」と喜んでいるのを見てばば孝行も悪くないと思われた。鳳来寺山の名物であるゴツゴツした岩肌とそれを囲む緑、空の青さと澄んだ空気、何もかもが神聖で、心が洗われるようであった。とても優雅な時間であったように思う。

 帰り際祖母が涙ぐんでいたのが印象的であった。ちゃんと顔を見にこないとなぁと思った。夏頃にまた会いにこれたらと思う。それまでどうかお元気で、