思考の試行

「無限増幅のうそ地獄」

 先日家族と母方の祖母と三重にお邪魔した。その時のことを朝から晩まで振り返ってみようと思う。

 まず朝は4時に起きた。出発は6時と聞いていたが,風呂に入っていなかったので早めに起きた。旅行前の高揚感も多少手助けはしたと思う。まだ外の暗いうちに風呂に入り,とても気分の良い朝だったように思う。その代り車での移動時間内は全寝した。

 祖母が6時前に我が家に来た。母方の祖母ということでやはり強烈なキャラクターの持ち主である。本人はいたって大真面目なのだが,なにせ発言や行動のすべてがわたしや兄弟のツボに入る。家を出るときにカラスがガーと目覚めの一鳴きをしたのだが,それが彼女の哲学スイッチを入れたようで「カラスはなんで鳴くんだろうねえ」とわたしに問いかけてきた。本人は大真面目ゆえに冷たく突き放すこともできず,「さあね,お話でもしているんでないのかしら」と返したが,心中はこれに尽きる。『カラスの勝手でしょ。』

 先ほども申し上げたように移動中は大いに眠ったために割愛。気付いたら御在所のSAにいた。ここで特筆すべき面白いことはなかったように思う。購入したタコとイカのから揚げ,明太子入りのかまぼこが美味しかった。

 9時。開園と同時に鳥羽の水族館に入る。1年前の忌まわしい記憶を払拭すべく大いにはしゃぎまわった。日本の海と日本の川のゾーンはどうにも魚が美味そうで困った。

 サメのゾーンにて幼い子供が母にいう。「ザメがたくさんいるねえ!」母はいう「ザメじゃなくてサメでしょ~!」子「このザメかわいいねえ!」母「ザメじゃなくてサメよ~このサメはコバンザメっていうの,ザメ,,,」子供はときにその無邪気さゆえに大人の思考スイッチを入れてしまうから困ったものだ。いつかのために知識は広くつけたいと思った。

 それからおもしろかったのはクリオネの前で娘の指示に従いひたすらに「感じの良い写真」を撮る親。SNS普及の弊害はこんなところにまで広がっているのだなと痛感した瞬間である。あと,オタサーの姫っぽい女子とその取り巻きの中の「今日に」選ばれたであろう男子のカップル。わたしがペリカンを眺めているところに姫が「かわいい~~~~~~!!!!!!」と走ってきたのだが,ペリカンのかわいかった要素なんて薄いピンクの羽毛ぐらいなもので,基本的に目はひん剥かれ口は裂けているし,その伸びきった喉のむき出しの皮膚なんて悪魔のそれそのものであった。姫も大変だなあと思ったし,男子に至っては細かい網越しに懸命に悪魔の写真を撮るも姫に見向きもされず,そこはさながら地獄のようであった。

 人間観察もほどほどに,家族のひと時も十分に楽しむことができた。母ははしゃいで自ら写真を撮られにきたし,3兄弟と祖母は鳥羽水族館限定のがちゃがちゃに精をだした。父は相変わらずマイペースに楽しそうにしていた。セイウチのショーなんかは幼いころの写真にしか記憶がないほど久しぶりであったので,全員が各々の視点から楽しむことができたと思う。セイウチの皮膚はなんだかぶよぶよしていて不思議だった。

 そのあとは牡蠣の食べ放題にいった。今回の旅行にて,誰しもが一番待ち望んでいたことと言っても差し支えないだろう。正直これは戦争だった。少しでも多くの牡蠣を胃袋に入れて持ち帰るぞという闘志が各隊員の心にありありと見え,邪魔するものは身内とて許さんという一触即発状態であった。余談だが食べ放題の場においての母の本気度はすごい。本当にすごい。多少のおしゃべりも許されない。少しでも手が止まろうものなら甲高い声で嫌味を言われる。これには毎度参っているのだが,わたしはわたしでめげずに喋る。食事は楽しくしたいよね。それからまたしても余談だが家族はわたしに甘いと思う。今回も何も言わずとも母はむいた牡蠣を差し出してくれたし,弟も調味料を取り分けてくれたり兄がお茶を入れてくれたりした。立派なわがままダメ人間の出来上がりである。この話はいつか記事にしよう。

 あとは松尾観音やら椿大社やら,眠たかったので割愛。おみくじは吉だったがいいことが書いてあったのでよしとする。椿大社はまた改めて行きたいとぞ思う。

 鈴鹿にてイチゴ狩りナイターに参加。イチゴ狩りって毎回100食うぞ!!って息巻くけどなかなか難しいよね。しかも今回は牡蠣たらふく食った後だしなあ。てなわけで量より質よと楽しんでいたのだが,やはり我が家には強者がいた。60分の食べ放題だったのだが,「イチゴ30秒に1個チャレンジするよ」と見事120個食べきった弟。イチゴ大明神の名を進呈するよ。

 この後は帰路につき,途中で刈谷のSAとウナギ屋に寄った。ウナギ久しぶりに食べたけど美味さブレねえな。SAではもち系お土産をたくさん買った。その日のうちにほとんどなくなった。この辺美味しいもち系お土産多いからいいよね。

 あんだけ食ったけど次の日にはもう牡蠣もイチゴも食べたいからね,なんなんだろうねこの現象。煩悩って感じ。

 この年になってくると家族旅行やらばあちゃん孝行できるのあとどんだけかなって考えてしまう。孝行できてるかはわからないけれど,少しでもたくさん笑った顔を見ておきたいなと思う。父方のばあちゃんにも会いに行きたいな。早くいいところに就職してたくさん稼いで好きな人たちに楽をさせたい人生である。